光熱費を抑えることができる省エネ建築のノウハウ
2023年8月3日
工場・倉庫建築設計ナビを運営する大建設計工務です。
今回は建築設計のお手伝いをする際に、お客様に提案させていただく光熱費を抑える省エネ建築についてご紹介をしていきたいと思います。
ご存じの通り、昨今は電気代が高騰しています。光熱費を抑えることは事業を推進していくにあたって重要な検討事項になってきています。
建築で様々な工夫をすることで省エネを実現し、光熱費を抑えることが可能です。
ビルの建て直しをした施主様から、新築したビルの方が延べ床面積が広いにも関わらず、光熱費が下がったという嬉しいお声をいただくこともございます。
以前と比べて省エネを実現する建築ノウハウも増えていますし、省エネ性能が高い建材も増えているので、施主様が想像している以上に、建築の工夫次第で光熱費の削減が可能です。
それでは、数ある省エネ建築技術の中から、いくつかご紹介をしていきます。新築や建て直し、改築の参考になれば幸いです。
⓵パッシブデザインを取り入れる
パッシブデザインとは、エネルギーを極力必要としない建築デザインのことで、冷暖房機器や照明などの人工物をできるだけ用いず、風や太陽光といった自然エネルギーを上手に建物に取り入れることです。
朝日や昼間の太陽の光は建物内に取り入れ、まぶしく暑い西日は建物内に取り入れないように窓の配置を検討します。建物内が明るく、温かくなるので照明費用や暖房費用を削減することができます。また、夏場は日射を遮断できるように性能の高いブラインドやロールスクリーンを設置します。
窓は対角線上に配置することで、建物内を風が通りやすくなり、春夏秋の冷房費用を削減することができます。
⓶熱を入れない・出さない建築
冷暖房をした際に、建物の中に熱を入れない・熱を出さないことで、空調効率は格段に高まります。
建物の中に熱を入れない・熱を出さないためには様々な建築技術を複合的に取り入れます。いくつか例を紹介します。
〔断熱材〕
断熱材には様々な種類があります。以前はグラスウールという素材を壁内に入れるのが一般的でしたが、グラスウールには、年数が経つと劣化をしてだんだんと断熱性能が下がっていくというデメリットがあります。最近では発砲ウレタンやスタイロフォームという建材で断熱をすることが増えています。グラスウールよりも壁内を高い密度で満たすので断熱性能も高く、劣化もしにくいです。
〔ガラス〕
熱は窓から出入りしやすいです。ペアガラスやトリプルガラスを取り入れることで断熱性能が高まります。
〔遮熱工事をする〕
暑さの原因となる輻射熱を反射する遮熱材を屋根や壁などに施工します。建材自体に遮熱効果のあるものや、塗装するものなど様々な手段があります。
⓷高効率な設備にする
〔高効率空調〕
従来よりも小さなエネルギーで大きな冷暖房効果を引き出すことができる空調設備を高効率空調と言います。10年、20年前の空調設備と比べて、光熱費削減効果を期待できます。
〔高効率換気〕
通常は換気扇で空気とともに熱を建物外に出してしまいますが、熱交換器付き換気扇を設置することで、空気を喚起しつつ、建物内の熱を維持することができます。
〔高効率照明〕
高効率照明は、LEDをはじめとした、少ないエネルギーで十分な明るさを供給できる照明機器のことです。蛍光灯と比べて電気代を削減することができ、長寿命です。
⓸屋上を緑化する
屋上緑化には都会に緑地を増やすだけでなく、植物によって日射を遮り、植物を植える土によって断熱をすることによって、夏は建物に熱が入るのを防ぎ、冬は熱を外に出さない省エネ効果があります。
また、省エネ効果だけでなく、建物自体の紫外線や酸性雨による劣化を防ぐ効果も期待できます。
⓹太陽光発電を屋上に設置する
太陽光発電を建物の屋上や敷地内に設置して、発電した電気を自家消費することで電気代を削減することができます。また、非常時の電源として利用できるメリットもあります。
他にも建築段階で取り入れることができる省エネ施策はたくさんあります。
省エネを実施するための施策には様々な補助金が出ています。
光熱費を抑えることができる省エネ建築にご興味がある方はお気軽にご相談ください。
建築用途や建築地、事業内容など様々な要素によって最適な省エネ施策は異なります。
最適な提案をさせていただきます。