鉄工工場の「鉄骨工場検査」を行いました

2025年7月31日
こんにちは。
工場倉庫建築設計ナビは、地元愛媛県・香川県で工場や倉庫などの施設の新築や建て替え、改修、耐震補強等の設計業務を行っている建築設計事務所です。
今回は、工事監理で行う「鉄骨工場検査」についてご紹介いたします。
現在、鉄工工場の工事監理を行っており、その鉄骨工場検査に行ってきました。みなさまは、建物の骨組みとなる「鉄骨」が、どこで、どのように作られているかご存知でしょうか? 実は、多くの建物の鉄骨は、現場ではなく専門の「鉄骨製作工場」で作られています。そして、その品質を保証するために欠かせないのが、今回ご紹介する「鉄骨工場検査」です。
鉄骨工場検査とは? なぜそんなに重要なの?
鉄骨工場検査とは、建物に使われる鉄骨部材が、製作工場で設計図通りに、かつ高い品質基準を満たして作られているかを、現場に運び込まれる前に確認する検査のことです。
「工場で作られるなら、品質は大丈夫でしょう?」と思われるかもしれません。しかし、鉄骨は建物の根幹を支える非常に重要な部分です。万が一、工場での製作段階で以下のような不具合があれば、建物の安全性や耐久性に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
・寸法が間違っている: 現場で組み立てられない、または無理に組み立てて歪みが生じる。
・溶接に欠陥がある: 強い力や地震で接合部が破損する。
・材料が指定と違う: 設計通りの強度が出ない。
・錆止めが不十分: 早期に腐食が進み、建物の寿命が短くなる。
これらの問題を未然に防ぎ、「設計図通りの強度が確保されているか」「現場でスムーズに組み立てられるか」を確認するために、鉄骨工場検査は不可欠なのです。
鉄骨工場検査の主なチェックポイント
では、具体的にどのような点を検査するのか、主なチェックポイントをご紹介します。
1. 図面との整合性確認
・寸法: 部材の長さ、幅、厚み、孔の位置などが設計図や製作図と一致しているか、メジャ
ーや測定器を使って細かく確認します。
・形状: 部材の曲がりやねじれ、反りがないか、目視やゲージを使って確認します。
・部材の種類: 使用されている鋼材の種類や板厚が、設計で指定されたものと合っているか、
材質証明書と照合して確認します。
2. 溶接品質の確認
・溶接の外観: 溶接箇所にクラックやアンダーカット、オーバーラップなどの目視で確認で
きる欠陥がないかを確認します。
・非破壊検査: 必要に応じて、超音波探傷検査といった専門的な非破壊検査を実施し、溶接
内部の隠れた欠陥がないかを確認します。
・溶接資格の確認: 溶接作業を行った職人が、適切な資格を持っているかを確認します。
3. 加工精度の確認
・ボルト孔の位置: 現場でボルトで接合される部分の孔が、正確な位置に開けられているか
を確認します。
・開先加工: 溶接を行うための部材の斜め加工が、適切に行われているかを確認します。
4. 表面処理の確認
・防錆塗装・溶融亜鉛めっき: 鉄骨の錆を防ぐための塗装やめっき処理が、指定通りに、ム
ラなく施されているかを確認します。
まとめ
建物の骨格を支える鉄骨は、その品質が何よりも重要です。鉄骨工場検査は、この目に見えない部分の品質を保証し、最終的な建物の安全性と耐久性を高めるための「縁の下の力持ち」のような役割を担っています。
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