工場Aの建設 - コンクリート基礎のトラブルとその解決事例

2025年11月12日
こんにちは。
工場倉庫建築設計ナビは地元愛媛県・香川県で工場や倉庫などの施設の新築や建て替え、改修、耐震補強等の設計業務を行っている建築設計事務所です。
今回は、「工場Aの建設」において発生したコンクリート基礎のトラブルと、その解決事例をご紹介いたします。
工場Aの建設概要
工場Aは、老朽化した既存施設の建て替えとして計画されました。
敷地面積約2,000㎡に、鉄骨造の平屋建て工場を新築し、製造ラインの効率化と作業環境の改善を目的としたものです。
設計から施工までの流れは、施主と設計事務所、施工会社が密に連携し、スムーズに進んでいましたが、コンクリート基礎工事中にトラブルが発生しました。
監理時に発生した課題:コンクリート基礎の空隙
基礎工事のコンクリート打設後、監理中の検査にて一部の基礎に空隙(すきま)があることが判明しました。
空隙とは、コンクリート内部に本来存在すべきでない「空気の溜まり」ができることを意味し、強度や耐久性に悪影響を及ぼす可能性があります。
このままでは構造的な問題につながる恐れがあったため、原因を調査し、早急な対応が求められました。
問題の原因:バイブレーターの使用不足
調査の結果、コンクリートを打設する際のバイブレーターの使用が不十分だったことが原因と判明しました。
バイブレーターとは、コンクリートを流し込んだ後、振動を与えて空気を抜くための機械です。
しっかり振動をかけないと、鉄筋の周囲や型枠の隅にコンクリートが行き渡らず、空隙ができてしまうことがあります。
今回のケースでは、施工担当者が奥まで十分にバイブレーターを差し込んでいなかったことが原因でした。
解決方法:無収縮モルタルの注入
空隙が見つかった部分には、無収縮モルタルを注入して補修を行いました。
無収縮モルタルとは、乾燥や硬化時に体積が縮みにくい特殊なセメント材料で、補修時に空間をしっかり埋めることができます。
この方法により、空隙が完全に充填され、構造上の問題もなくなりました。
補修後には再検査を行い、所定の強度や安全性が確保されていることを確認しました。
今後の対策とアドバイス
同じようなトラブルを防ぐには、施工時の管理とチェックが重要です。
特に以下のポイントに注意が必要です。
・バイブレーターは深く、まんべんなく差し込む
・コンクリート打設中はコンクリート打設責任者が確認し、必要に応じて指示を出す
・施工前に作業手順を再確認し、スタッフ全員で情報共有する
また、施主の方も施工中に疑問点があれば遠慮せず確認することで、トラブルの早期発見・防止につながります。
まとめ
今回の工場Aの建設では、コンクリート基礎の空隙というトラブルが発生しましたが、原因を明確にし、適切な補修方法(無収縮モルタル注入)を実施することで、問題なく建設を進めることができました。
このような経験を通じて、今後の現場監理や施工の品質向上につなげていくことができます。
同じような課題に直面した際の参考にしていただければ幸いです。
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