耐震診断とは
こんな方におすすめ
- 建築基準法が変わる前の旧耐震基準で作られた工場のため耐震性が不安
- 工場・倉庫の耐用年数が迫ってきたため、耐震性を確認したい
- 工場・倉庫の鉄骨部分が錆びついてきているため耐震診断を依頼したい
- 大規模な地震に備えて工場・倉庫の耐震性を確認しておきたい
工場・倉庫の長期活用をご希望の方へ、耐震診断・耐震補強は愛媛県を中心に四国エリアで工場・倉庫の設計業務に対応している工場・倉庫建築設計ナビにお任せください。
耐震診断とは
日本は地震の多い国です。21世紀に入ってから、2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震、2018年には大阪府北部地震と大規模な地震がたびたび発生しました。四国にも、地震を引き起こす可能性のある活断層や海溝があり、地震が発生する確率が非常に高いという調査結果が出ています。
日本ではどの地域でも地震が発生するリスクがあります。そのため、地震による被害を最小限に抑えるため、私たちが日常的に訪れる建物の耐震診断や耐震補強を行うことの重要性が見直されつつあります。特に、建築基準法の改定が行われた昭和56年以前の建物は地震に対するリスクが高いとされています。取り返しのつかない事態になる前に、建築のプロである設計事務所に耐震診断を依頼しましょう。
耐震診断は地震による建物の倒壊や破壊を未然に防ぐために、それらの可能性の有無や程度を予測することができます。工場・倉庫の構造強度を調べ、今後起こり得る地震への耐震性を算出し、適切な対応方法を提示します。
耐震診断を行うことによって、地震が発生した際にどのような影響があるか予測することができます。工場や倉庫は多くの方が利用する施設です。利用者の人命を守るために、耐震診断を行い、診断の結果に合わせて最適な耐震補強工事を施しましょう。
耐震診断・耐震補強の実施の内容
耐震診断の実施内容
工場・倉庫の耐震診断ではまず予備調査を行います。この予備調査では設計図書や地盤調査報告書、建築確認申請の関係書類、工事完了検査済証などの書類をもとに、建築物の概要や使用履歴、増改築、経年劣化、設計図書の有無等の内容を確認し、耐震診断のレベルを判断いたします。
予備調査の結果をもとに、現地調査を行い工場・倉庫の構造の耐震性を計算・評価します。この耐震診断の診断結果により、耐震性が低い場合は、耐震補強を検討することもできます。現在の工場・倉庫の耐震性に不安を感じられている場合は耐震診断の実施をおすすめします。
ご依頼内容によっては、補強案及び概算工事費等も検討いたします。具体的な耐震診断の診断方法は下記に記載しております。
診断レベル | 鉄骨造 |
---|---|
予備調査 | 資料の収集と建物概要(竣工年・構造形式・施工者等)の把握 |
現地調査 | 基礎/地盤の調査、建物の劣化状況の調査、躯体状況の調査、コンクリート強度試験等 |
耐震診断 | 予備調査と現地調査の内容をもとに建物の耐震性を計算し算出する |
診断結果評価 | 耐震診断の診断結果をもとに耐震性のレベルを提示する |
耐震化の 確認/検討 |
耐震結果評価によって耐震化の必要性の有無を確定させ、今後の耐震化工事をどのように進めるか検討する |
耐震診断を実施した場合、報告書が共有されます。その中に「構造耐震指標(Is値)」という数値があります。構造耐震指標(Is値)は耐震性を判断する一つの基準値としてお考え下さい。
基本的に耐震性がある建物と判断できるのは構造耐震指標(Is値)が0.6以上あるものです。この構造耐震指標(Is値)が0.6未満の場合には耐震改修に向けた検討が必要になります。
耐震診断・補強の流れ
予備調査
診断実施時の調査計画、設計書の有無、診断レベルを現地で判断し、耐震診断に必要な経費を見積もります。
一次診断
設計図書等により、履歴・外観・構造・規模等の調査を行います。構造図書が無い場合は、さらに柱・壁等の寸法の実測調査を行い、その調査結果に基づいて、必要な図面を復元。各指標値を算定し、耐震性能を評価します。
二次診断
現地調査等により、履歴・外観・コンクリート強度・中性化試験・柱の帯筋間隔等の調査、鉄骨部分の部材断面・仕口及び継手の確認・発錆状態等を調査します。構造図書が無い場合は、必要に応じて壁・柱等の構造部材の断面・鉄筋量等を調査し、それに基づいて必要な図書を復元。各指標値を計算し、耐震性能を評価します。
三次診断
3次診断では梁の影響を考慮して柱や壁の断面積の確認、鉄筋の確認、そして建物の保有水平耐力を確認します。
2次診断の柱と壁に加えて梁も考慮して計算します。現行建築基準法の保有水平耐力計算とほぼ同程度のレベルで建物の終局耐力を計算する方法です。
耐震補強計画
現地調査結果・診断結果等を踏まえ、補強後の機能、工事の施工性、経済性等を検討し、補強後の耐震性能・補強工事のための資料を提供します。この業務に関しては、耐震診断とは別費用となります。
改修計画
耐震補強工事と合わせて、屋上防水・外観・外部建具改修ならびに、室内及び設備関連の改修内容を図面化します。
よくある質問
- 耐震診断はどのようなことをするのですか?
まず既存の図面を集めて、事前調査を行います。その後、現地調査を実施し、建物の劣化状況や図面との整合性などを確認します。調査結果に基づいて構造計算を行い、建物の耐震性を総合的に評価します。
- 耐震診断でどのようなことがわかるのですか?
耐震診断は、予想される大地震に対する耐震性を評価・判断するもので、大地震に対して建物が直ちに倒壊せず、人が避難できるかを確認できます。また、耐震性が低い場合は、どの部位が弱点なのかを把握できるため、適切な耐震補強工事の計画に繋げることができます。
- 耐震診断を依頼するタイミングはいつ頃がよろしいのでしょうか?
昭和56年以前の建物で劣化が目立つ場合は耐震診断の実施をおすすめします。耐震診断は実施から補強計画の策定まで時間がかかるため、建物の改修の計画がある場合は早期に専門家に相談してください。
- 耐震診断にはどのくらいの費用がかかりますか?
工場や倉庫の耐震診断にかかる費用は、規模や構造・設計図書の有無によって違いがあるため、一概にお答えすることはできません。また補助金制度利用の有無によっても違いがありますので、まずはお問い合わせください。
- 耐震診断で問題が発覚した場合どうすればいいでしょうか?
耐震診断の結果、必要な耐震性を有していない場合、どこにどのような補強を行わなければならないのかを検討します。補強方法や補強箇所・工事費用等を考慮し、最善の補強方法をご提案いたします。
- 耐震診断にどのくらいの時間がかかりますか?
建物の規模や構造等によって違いがあり、補助金制度利用の有無によっても耐震診断にかかる時間は異なります。まずはお問い合わせください。
- 図面を探しましたが、図面がありません。図面が無くても耐震診断はできますか?
原則対応できません。
- 耐震診断に補助金を活用することはできますか?
全国の各自治体で、耐震診断・耐震補強設計・耐震改修工事に対する補助制度が整備されていますが、補助対象・補助額等が異なりますので、詳しくは各自治体の相談窓口へお問い合わせ下さい。